会社のパソコンを売却したときの経理処理|固定資産・除却との違いと必要な書類

「入れ替えで古いパソコンを売ることになったけれど、経理ではどう処理すればいいのか。捨てたときと何が違うのか分からない」――パソコンの売却を考えている会社の経理担当者さまから、こうしたご相談をいただくことがあります。
結論から言えば、会社のパソコンを売却したときは、そのパソコンが固定資産として帳簿に載っているかを確認し、売った金額と帳簿上の価値の差を「売却損益」として扱うのが基本的な考え方です。そして、その処理の裏付けになる書類を受け取って保管しておくことが大切です。
この記事では、パソコンを売却したときの経理の考え方を、固定資産・減価償却・帳簿価額といった用語をかみ砕きながら、売却と除却の違い、受け取っておきたい書類、インボイスとの関係まで解説します。なお、ここでお伝えするのは一般的な考え方です。実際の処理方法は会社ごとに異なるため、具体的な処理は必ず顧問税理士に確認してください。
まず確認したいのは「そのパソコンは固定資産か」

パソコンを売る前に、経理担当者がまず確認したいのは、そのパソコンが帳簿の上でどう扱われているかです。会社が買ったパソコンは、購入金額や会社の方針などによって、「固定資産」として計上されている場合と、買ったときに費用として処理されている場合があります。
固定資産というのは、長い期間にわたって事業で使うために持っている財産のことです。建物や車、機械などと同じように、ある程度の金額のパソコンは固定資産として帳簿に載り、「固定資産台帳」と呼ばれる一覧で管理されていることが一般的です。
どちらに当たるかで、売却したときの処理の考え方が変わります。そのため、売却を決めたら、固定資産台帳を開き、売る予定のパソコンが載っているかどうかを確認するところから始めましょう。台帳には型番や取得日が書かれていることが多いので、売却するパソコンの型番を控えておくと照合しやすくなります。台帳に載っていない場合も、念のため顧問税理士に扱いを確認しておくと安心です。
減価償却と帳簿価額をかみ砕いて理解する
固定資産として計上されたパソコンは、買った年にまとめて費用にするのではなく、使う期間に分けて少しずつ費用にしていきます。これが「減価償却」です。たとえば、何年も使う前提で買ったパソコンの購入代金を、その年数で分けて毎年の経費にしていくイメージです。
減価償却を続けると、帳簿の上でのパソコンの価値は毎年少しずつ減っていきます。この「いま帳簿に残っている価値」を帳簿価額(簿価)と呼びます。何年か使ったパソコンは、帳簿価額がかなり小さくなっていることもあります。
ここで大事なのは、帳簿価額と、実際に売れる金額は別物だということです。帳簿価額は会計のルールで計算した数字で、売れる金額は中古市場での需要や本体の状態で決まります。帳簿上はほとんど価値が残っていなくても、状態がよければ値段がつくこともありますし、その逆もあり得ます。売却を検討するときは、この2つを分けて考えることが出発点になります。
「売却」と「除却」は何が違うのか
会社がパソコンを手放すとき、経理の上では大きく「売却」と「除却」の2つの考え方があります。言葉は似ていますが、意味は異なります。
| 区分 | どんなときか | 経理での考え方 | 手元に残しておきたい書類 |
|---|---|---|---|
| 売却 | 買取業者などに売って、代金を受け取る | 売った金額と帳簿価額の差を、売却益または売却損として扱う | 買取明細(契約書)など、売った金額が分かる書類 |
| 除却 | 壊れて使えない・値段がつかないなどで、廃棄して帳簿から外す | 残っている帳簿価額を、除却損として扱う考え方が一般的 | 廃棄を依頼した業者の書類(マニフェストなど) |
つまり、代金を受け取って手放すのが売却、代金を受け取らずに廃棄するのが除却と考えると分かりやすいでしょう。どちらの場合も、固定資産台帳からそのパソコンを外す手続きが必要になります。
入れ替えのタイミングでは、まとめて手放すパソコンの中に「売れたもの」と「値段がつかず廃棄したもの」が混ざることがよくあります。その場合は、1台ずつ売却なのか除却なのかを分けて記録しておくと、後で経理処理をするときに迷いません。廃棄の方法そのものは事業用パソコンの正しい処分方法でまとめています。
売却したときの「売却損益」の考え方

売却したときに出てくるのが「売却益」と「売却損」です。考え方はシンプルで、売った金額が帳簿価額より大きければ売却益、小さければ売却損になります。
たとえば、仮に帳簿価額が「1」残っているパソコンを「3」で売ったなら、差の「2」が売却益です。反対に、帳簿価額が「3」残っているパソコンを「1」で売ったなら、差の「2」が売却損になります(数字はあくまで考え方を示すための仮のものです)。すでに減価償却が進んで帳簿価額がほとんど残っていないパソコンを売ると、売った金額の多くが売却益として扱われることになります。
ここで注意したいのは、売却損益の計算には、減価償却をいつまで計上するか、期の途中で売った場合の扱いなど、会社ごとの決まりや判断が関わってくる点です。また、売却損益をどの勘定科目で処理するか、消費税をどう扱うかも含めて、具体的な処理は顧問税理士に確認するのが確実です。経理担当者としては、「いつ・何を・いくらで売ったか」が分かる材料をそろえて、税理士に渡せる状態にしておくことが大切です。
売却時に受け取っておきたい書類
パソコンを売却したら、売った事実と金額が分かる書類を必ず受け取って保管しておきましょう。売却損益の計算や固定資産台帳の整理、決算のときの確認に使うことになります。
当社では、買取の際に「申込書兼契約書(買取明細)」を発行しています。買い取ったパソコンの内容と金額が記載されているので、経理処理の裏付けとして保管していただけます。あわせて、古物営業法にもとづき、買取の際には運転免許証などの本人確認書類を確認させていただいています。法人の場合は担当者さまの本人確認が必要になるので、当日立ち会う方をあらかじめ決めておくとスムーズです。
書類を受け取ったら、買取明細の内容と固定資産台帳を突き合わせ、どの資産を売却したのかが後から分かるようにしておきましょう。台帳の型番やシリアル番号と、買取明細の機種をメモでひも付けておくだけでも、決算の時期に慌てずに済みます。お支払いはその場で現金または振込に対応しているため、入金の記録と書類をセットで残しておくと確認がしやすくなります。
インボイスとの関係は、事前に伝えておくと書類を合わせやすい

インボイス制度が始まってから、「パソコンを売るときに、自社の登録番号はどう関係するのか」と気にされる経理担当者さまも増えています。パソコンを売る側の会社が適格請求書発行事業者として登録しているかどうかで、書類に記載する内容などが変わってくることがあります。
制度の細かな扱いは会社の状況によって異なるため、ここでは断定的なことはお伝えしませんが、実務上のポイントは一つです。売り手側の登録番号の有無など、書類に反映してほしい事項は、査定や買取の前に買取業者へ伝えておくことです。事前に分かっていれば、書類の記載をそれに合わせて準備できます。
当日になってから「この書類で経理は大丈夫だろうか」と迷わないよう、社内で必要な書類の形式を顧問税理士と確認し、その内容を買取業者にも共有しておく。これが、売却後の経理をスムーズに進めるいちばんの近道です。
あわせて、社内で「誰が売却の窓口になるのか」を決めておくことも大切です。総務の担当者が買取業者とやり取りし、経理担当者は書類の内容をあとで確認する、という分担でもかまいません。窓口がはっきりしていれば、書類の宛名や記載内容について、買取業者とのやり取りが一度で済みます。
経理担当者が売却の前後にやっておきたいこと
最後に、経理担当者の目線で、売却の前後にやっておきたいことを流れで整理しておきます。
- 売却予定のパソコンの型番を控え、固定資産台帳に載っているか確認する
- リース・レンタル品が混ざっていないか、契約書で確認する(会社のものでない機器は売却できません)
- 必要書類の形式やインボイスに関する事項を顧問税理士と確認し、買取業者に事前に伝える
- 買取当日は買取明細を受け取り、入金の記録とあわせて保管する
- 買取明細と固定資産台帳を突き合わせ、売却・除却を1台ずつ記録する
- 顧問税理士に材料を渡し、売却損益などの処理を確認してもらう
パソコンの入れ替えは総務や情報システムの担当者が主導することが多く、経理担当者には「売りました」という結果だけが後から伝わる、ということも少なくありません。那覇や浦添の本社と、沖縄市や名護の営業所で別々にパソコンを入れ替えたような場合は、どの拠点で何を売ったのかがばらばらになりがちです。売却を決めた段階で経理にも声をかけてもらうよう、社内でルールにしておくと、決算前に書類を探し回る手間を減らせます。
まとめ:パソコン売却の経理は「台帳の確認」と「書類の保管」が要
会社のパソコンを売却したときの経理は、むずかしく見えて、押さえるべき点は多くありません。固定資産として帳簿に載っているかを確認し、帳簿価額と売った金額の差を売却損益として考える。値段がつかずに廃棄したものは除却として分けて扱う。そして、その裏付けとなる買取明細を受け取って、固定資産台帳と突き合わせて保管する。この流れを意識しておけば、決算のときに慌てずに済みます。
ただし、実際の処理方法は会社ごとに異なります。売却損益や消費税、インボイスの扱いなど、具体的な処理はかならず顧問税理士に確認してください。経理担当者の役割は、判断に必要な材料をそろえておくことです。
当社では、事業用パソコンの買取の際に申込書兼契約書(買取明細)を発行し、その場でお支払いしています。価格の目安は買取価格の目安でご確認いただけます。書類について事前に伝えておきたいことがあれば、査定のご依頼時にあわせてお知らせください。沖縄本島全域で出張査定(無料)を行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
よくある質問
固定資産台帳に載っていないパソコンを売った場合はどうなりますか?
購入時に費用として処理しているパソコンなど、台帳に載っていないものもあります。その場合の売却代金の扱いは会社の状況によって異なるため、買取明細を保管したうえで、顧問税理士に処理方法を確認してください。