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ホームページから問い合わせが来ない|AIで弱点を30分で洗い出す手順

AI活用

ホームページから問い合わせが来ない、という相談を受けたとき、最初に見るのはデザインではありません。見た目を直しても問い合わせが増えないケースのほうが、実際には多いからです。原因は必ず「そもそも人が来ていない」「来た人に響いていない」「響いた人が動けない」の三つのどこかに収まります。この三つを集客・内容・導線と呼び分けて、どこで落ちているのかを先に確定させる。ここさえ間違えなければ、直す手は自然と決まります。そしてこの切り分けは、アクセス解析の画面とAIがあれば、腰を据えて30分あれば終わります。以下は、その30分の中身と、系統ごとにAIへ投げる確認の指示文、直す順番、そして公開後2週間での見直し方までを通しで並べたものです。

問い合わせゼロには、入り口が三つある

「問い合わせが来ない」という一言は、実際には三つのまったく違う症状をひとまとめにした言い方です。月に30人しか訪問者がいないサイトと、月に3,000人来ているのに問い合わせが1件のサイトでは、打つべき手が正反対になります。前者はページをいくら磨いても分母が増えないので効きませんし、後者は広告を足しても穴の空いたバケツに水を注ぐことになります。

集客とは、検索やSNS、名刺・紹介からサイトにたどり着いた人の数のことです。内容とは、たどり着いた人が「ここは自分の困りごとを分かっていそうだ」と感じられるかどうか。導線とは、そう感じた人が問い合わせフォームや電話にたどり着くまでの動作の少なさです。沖縄の中小企業のサイトを見ていると、この三つのうち「内容」と「導線」が同時に弱く、そこに気づかないまま集客だけにお金を使ってしまっている例が目立ちます。

逆に言えば、三つのどれが弱いかが分かった時点で、作業量は三分の一に減ります。30分の自己診断は、この絞り込みのためにあります。

30分の内訳と、AIに渡すもの

用意するものは三つだけです。アクセス解析の直近1か月の数字(訪問数と、問い合わせページの表示回数)、自社サイトの主要ページの本文をコピーしたテキスト、そしてスマートフォンで自分のサイトを開いた画面。特別なツールは要りません。AIには、この三つを順番に読ませて「事実の指摘」だけをさせます。感想や褒め言葉は判断の邪魔になるので、指示文の中で最初に禁じておくのが要点です。

時間配分は、集客の確認に10分、内容の確認に10分、導線の確認に10分。それぞれの系統で、症状とAIへの確認内容は次のように対応します。

系統典型的な症状AIに確認させること
集客月間の訪問が数十件で伸びない/検索から来ていない各ページが「誰のどんな検索」に答えているか、答えていないページはどれか
内容訪問はあるが、1ページ見て帰る人が多い読み手の不安に答えている箇所と、会社都合の説明になっている箇所の仕分け
導線問い合わせページまでは来るが送信されない問い合わせに至るまでの動作数、入力項目の必要性、迷いの発生箇所

この表のどこに自社が当てはまるかを、数字を見ながら決めていきます。二つ以上当てはまる場合も珍しくありませんが、その場合でも後述する順番で手をつければ迷いません。

【集客】そもそも人が来ているのかを確かめる

検索からサイトへの訪問の流れを表した図

最初に見るのは訪問数そのものではなく、「検索から来た人の数」です。名刺や紹介でURLを直接叩いた人ばかりであれば、それはホームページが集客していないという意味になります。沖縄の場合、地域性の強い業種ほどこの傾向が出やすく、既存客への案内ページとしては機能しているのに、新規の入り口としてはほとんど働いていない、という状態がよく起こります。

ここでAIに渡すのは、自社の主要ページ5本ほどの本文です。指示文はこうします。「以下は当社サイトの各ページ本文です。それぞれについて、どんな検索語を打った人が読んで満足するかを1ページあたり3つ挙げてください。挙げられない場合は『検索の受け皿になっていない』とだけ書いてください。改善案は不要です。事実の判定だけしてください」。改善案を求めないのが肝心で、先にアイデアを出させると、受け皿になっていないページまで「こう直せば使える」と好意的に扱われてしまいます。

結果として「検索の受け皿になっていない」が半分以上を占めたなら、集客が弱い状態です。会社概要と事業内容と沿革しかないサイトは、たいていここに該当します。逆に受け皿が十分あるのに訪問が少ないなら、内容の問題ではなく単に公開してからの期間が短いか、書いた記事の本数が足りていないだけということもあります。当社のブログでも触れていますが、検索から人が来るまでには公開後しばらくの時間がかかるため、公開直後の数字だけで判断しないことも大切です。

【内容】読んだ人が「ここでいい」と思えるか

訪問はあるのに問い合わせがない場合、次に疑うのは内容です。ここでの内容とは、文章の上手さではなく「読み手の不安に答えているか」の一点に尽きます。工事や設備、士業、人材のように、頼んだ後の失敗が怖い商材ほど、価格よりも先に「この会社は自分の状況を分かっているのか」が問われます。

AIに投げる指示文は、視点を読み手側に固定するのがコツです。「あなたは当社に問い合わせようか迷っている見込み客です。以下の本文を読んで、まだ解消されていない不安を5つ、不安の強い順に挙げてください。次に、本文のうち『会社側の都合や自慢』にあたる文を抜き出してください。書かれていないことを補って評価しないでください」。最後の一文がないと、AIは足りない部分を勝手に想像で埋めて「十分に説明されています」と答えてしまいます。

ここで挙がる不安は、おおむね似通います。対応エリアはどこまでか、離島は含むのか。相談だけでも受けてくれるのか。費用の目安は何で決まるのか。誰が担当に来るのか。この四つに本文が答えていないサイトは、那覇でも名護でも珍しくありません。費用については金額を書けない事情があるのが普通ですが、その場合でも「何によって変わるか」を書くだけで不安はかなり減ります。規模と工期で変わる、既存設備の状態を見てから判断する、といった書き方であれば、断定せずに誠実さは伝わります。

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【導線】問い合わせるまでの動作を数える

スマートフォンの問い合わせフォームと送信ボタンのイメージ

三つ目は導線です。これは机上ではなく、必ず自分のスマートフォンで確かめます。トップページを開いてから、問い合わせフォームの入力欄に指が触れるまで、タップと画面スクロールを何回したかを数えてください。この回数が体感で多いと感じたなら、それはもう答えです。

沖縄の小さな会社のサイトでよく見かけるのは、電話番号が画像になっていてタップできない、問い合わせボタンがページ最下部にしかない、フォームの必須項目に会社名と部署名が入っていて個人事業主が入力できない、といった詰まり方です。どれも作った当時は問題に見えなかったもので、指摘されるまで気づけません。

AIには画面そのものを見せられない場合もあるので、動作を言葉にして渡します。「当社サイトで問い合わせに至るまでの操作を順に書きます。(実際の手順を列挙)この流れで、利用者が途中でやめてしまう可能性が高い箇所を、可能性の高い順に3つ挙げてください。理由も一行で添えてください」。フォームの入力項目については、項目名をそのまま貼り付けて「このうち、初回の問い合わせで本当に必須にすべき項目はどれですか。減らせる項目を挙げてください」と聞きます。初回の連絡に必要なのは、名前と連絡先と用件の三つで足りることがほとんどです。

なお、問い合わせの受け口そのものを増やす手もあります。フォームだけでなく、電話・LINE・チャットのどれで受けるかは業種と客層で変わりますし、対応の手間も増えるので、まずは既存のフォームを軽くするところから始めるのが現実的です。受け口を増やした後の対応負荷が心配な場合は、AIによる一次対応の仕組みを検討する余地もありますが、これは診断のあとの話です。

直す順番は、後ろから前へ

三つの系統に弱点が見つかったとき、手をつける順番は導線 → 内容 → 集客です。集客から手をつけたくなるのが人情ですが、それが一番もったいない順番になります。

理由は単純で、導線の修正はその日のうちに終わり、効果が今いる訪問者にすぐ及ぶからです。フォームの必須項目を三つに減らす、電話番号をタップできるようにする、各ページの終わりに問い合わせへの案内を置く。この程度の作業で、来ている人の取りこぼしが減ります。次に内容で、これは書き直しに数日かかりますが、既存の訪問者に効くという点では導線と同じです。集客は最後です。記事を書いても検索に反映されるまで時間がかかるうえ、内容と導線が整っていないサイトに人を連れてきても、増えるのは訪問数だけで問い合わせは変わりません。

この順番には副次的な利点もあります。導線と内容を直したあとに集客へ進むと、「訪問が増えたのに問い合わせが増えない」という一番判断に困る状況を避けられます。原因の切り分けが済んだ状態で分母を増やすので、増えた訪問がそのまま成果に効いているかを素直に読めるわけです。

公開後2週間で、何をどう見直すか

直したら終わり、にしないための最後の工程です。修正した日をメモしておき、2週間後に同じ数字を見ます。1か月待つと季節や取引先の動きが混ざりますし、1週間では動きが小さすぎて判断できません。2週間はその折衷点です。

見るのは三つだけ。問い合わせページの表示回数、実際の問い合わせ件数、そして修正したページの滞在時間です。導線を直したなら、表示回数に対する問い合わせ件数の比率が動いているはずです。内容を直したなら、そのページの滞在時間か、次のページへ進んだ人の割合が動きます。どちらも動いていないなら、直した場所が原因ではなかったということで、これも立派な収穫です。切り分けの精度が一段上がったと考えて、次の系統に移ります。

2週間ごとの記録は、AIに読ませる材料としても効いてきます。「以下は当社サイトの修正内容と、修正前後2週間の数値です。数値が動いた修正と動かなかった修正を分け、動かなかったものについて考えられる理由を挙げてください。推測であることを明示してください」という聞き方をすると、次に手をつける場所の候補が出てきます。三、四回もこれを繰り返すと、自社のサイトのどこが効きやすいかという勘所が社内に残ります。外注に丸投げした場合には得られにくい、この蓄積こそが実は一番大きい成果かもしれません。

まとめ

問い合わせが来ないという症状は、集客・内容・導線のどこかで必ず説明がつきます。アクセス解析の数字、主要ページの本文、スマートフォンでの操作。この三つをAIに順番に読ませて「事実の判定だけ」をさせれば、30分で弱点の見当はつきます。そのうえで導線から内容、集客へと後ろから直し、2週間後に同じ数字を見る。この往復を続けるかどうかで、一年後のホームページの働きはずいぶん変わります。

自社だけで切り分けが難しい、あるいはAIに投げる指示文の作り方から相談したいという場合は、状況を伺ったうえで一緒に見ていくこともできます。内容や進め方はサイトの状態によって変わりますので、まずはお問い合わせからお気軽にご相談ください。