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ホームページを直すか作り直すか|AIでリニューアル判断を1日で整理する

AI活用

ホームページが古くなってきたとき、多くの経営者がまず口にするのは「そろそろ作り直したほうがいいかな」という言葉です。ただ、先に結論を言うと、リニューアルするかどうかの判断基準は見た目の古さではありません。いまのサイトの土台——ページの構成と中身——が、いまの商売に合っているかどうかで決まります。土台が生きているなら部分的に直すほうが早くて安全ですし、土台が商売とずれているなら、表面をいくら磨いても成果にはつながりません。

そしてこの「土台が生きているかどうか」の見極めは、以前なら制作会社に診断を頼むしかありませんでしたが、いまは現サイトをAIに読ませることで、判断材料の大半を1日で自分の手元に揃えられます。この記事では、見た目だけを理由に作り直して失敗する典型例から入り、部分改修で足りる症状と作り直しが必要な症状の仕分け、AIを使って1日で判断材料を揃える手順、そして作り直すと決めた後の原稿・構成準備の分担までを順番に整理します。

「デザインを一新したのに問い合わせが減った」——リニューアル失敗の典型

ホームページを直すか作り直すか、分かれ道で迷う経営者のイメージ

よくある流れはこうです。社長が同業他社の新しいサイトを見て「うちのは古いな」と感じ、デザインの刷新を制作会社に発注する。数か月後、たしかに見違えるほどきれいなサイトが公開される。ところがその後、問い合わせがむしろ減ってしまう——。これは沖縄に限らず起きている失敗ですが、原因はだいたい共通しています。

ひとつめは、ページのURLが変わったのに旧ページからの転送設定がされず、検索エンジンからの評価が新サイトに引き継がれなかったこと。ふたつめは、「ページが多くてごちゃごちゃしているから」と整理した結果、実は検索から人を集めていた地味なページ——施工事例の一覧や、よくある質問、スタッフの紹介など——が削除されてしまったこと。みっつめは、文章をプロらしく書き直した結果、以前の文章に自然に入っていた地名やお客さんの悩みの言葉が消え、検索にかからなくなったことです。

つまり、見た目はサイトを構成する要素のひとつでしかなく、集客の大部分はページの構造と中身が担っています。ここを診断せずに「古いから作り直す」と決めてしまうと、きれいになったのに人が来ないサイトができあがります。逆に言えば、構造と中身さえ診断できれば、直すべきか作り直すべきかはかなり正確に判断できるということです。

部分改修で足りる症状——土台が生きているサイトの見分け方

まず、作り直さなくていいケースからはっきりさせましょう。土台が生きているサイトとは、検索経由でお客さんが来ており、ページの構成がいまの事業内容と一致しているサイトです。この条件を満たしているなら、多少の不満は部分改修で解消できます。

たとえば、掲載している写真が数年前のままで社屋も制服も今と違う。スマホで見ると一部のページだけ表がはみ出して崩れる。営業時間やサービスの案内が以前のままになっている。問い合わせフォームの入力欄が多すぎて途中で離脱されている——。こうした症状は、どれもページ単位・部品単位の修繕で直せます。飲食店ならメニューページの写真と価格表記の差し替え、製造業なら設備紹介ページの更新、という具合に、悪い箇所だけを外科手術のように処置すればいい。URLは変わらないので検索エンジンからの評価もそのまま維持されます。

沖縄の中小企業の場合、「作った当時の担当者が退職して誰も触れなくなった」だけで放置されているサイトが少なくありません。この場合も、更新の手段さえ取り戻せば土台は使えます。管理画面のログイン情報を制作会社に確認し、社内の誰かが月に一度でも触れる体制を作る。それだけで「古く見える」問題の大半は解消に向かいます。

作り直しを考えるべき症状——直しても追いつかないサイン

一方で、修繕の積み重ねでは追いつかないサイトもあります。見分けるサインは、症状が「ページ」ではなく「構造」に出ているかどうかです。

典型的なのは、事業の中身が変わったのにサイトが昔のままのケースです。たとえば観光客向けの物販が中心だった会社が、いまは県内企業向けの卸やサービスに軸足を移しているのに、サイトは観光客向けの構成のまま——という状態。この場合、個々のページを直しても、サイト全体が「誰に何を売る会社か」を間違って伝え続けます。ページの継ぎ足しを何年も繰り返した結果、メニューが迷路のようになり、社内の人間でも目的のページにたどり着けない、というのも構造の問題です。

技術面のサインもあります。サイトを動かしている仕組みが古く、セキュリティの更新が止まっている。スマホ対応が後付けの応急処置で、根本的にはパソコン画面を前提に設計されている。制作した会社と連絡が取れなくなり、サーバーやドメインの契約がどこにあるか誰も把握していない——。ここまで来ると、一つひとつ直すより、いまの商売に合わせて設計からやり直すほうが、結果的に近道になることが多いのです。

迷ったら4つの軸で見る——「直す」と「作り直す」の分かれ目

とはいえ、実際のサイトは「ここは生きているが、ここはずれている」という中間の状態がほとんどです。迷ったときは、次の4つの軸で自社のサイトを眺めてみてください。

判断の軸部分改修で足りる状態作り直しを検討する状態
検索からの流入社名以外の言葉でも検索から来訪がある来訪がほぼ社名検索だけ、または把握できていない
事業との一致いまの商品・客層とページ構成が合っている事業転換や客層の変化にサイトが追いついていない
更新の体制社内で文章や写真を差し替えられる制作会社経由でしか触れない、または連絡が取れない
スマホでの表示一部の崩れを調整すれば直るパソコン前提の設計で根本の対応が難しい

右の列に当てはまる項目が多いほど、作り直しに軍配が上がります。ただし注意したいのは、この表を埋めるには「検索からどれくらい人が来ているか」「ページ構成が事業と合っているか」を実際に確かめる作業が要る、ということです。感覚で埋めると、結局「古く見えるから作り直す」という最初の判断に戻ってしまいます。そこで次の章から、この確認作業をAIの力で1日に圧縮する手順を説明します。

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現サイトをAIに読ませる——午前中にやる3つの作業

現サイトのページをAIに読ませて判断材料を整理するイメージ

用意するのは、いまのサイトと、ChatGPTやClaudeのような対話型のAIだけです。専用の分析ツールは要りません。午前中の作業は3つです。

最初に、サイトにあるページの一覧を作ります。メニューをたどりながらページ名とURLを書き出すだけでよく、数十ページ規模の会社サイトなら30分から1時間で終わります。この時点でまず気づくことがあります。「このページ、誰がいつ作ったんだろう」というページが必ず出てくるからです。一覧を作ること自体が、継ぎ足しの積み重ねを可視化する診断になっています。

次に、トップページと主要な数ページの文章をコピーしてAIに貼り付け、こう尋ねます。「この文章だけを読んで、この会社が何をしている会社か、誰に向けた商売か、強みは何かを答えてください」。ここでAIが間違えた箇所——たとえば主力のはずの法人向けサービスを見落とし、昔の個人向け事業を主力と答えた箇所——は、初めてサイトを訪れたお客さんも同じように誤読する箇所です。AIは、あなたの会社を何も知らない「初見のお客さん」を、何度でも安く再現してくれる道具として使えるわけです。

最後に、「このサイトを見た人が問い合わせをしたくなるとしたら、どのページのどの部分か。逆に、問い合わせをためらう理由になりそうな箇所はどこか」を尋ねます。導線の弱点が、社外の目線で言語化されます。こうしたAIの業務活用は、当社でもAIエージェント事業として沖縄の企業向けに支援していますが、この診断の範囲なら特別な契約なしに今日から試せます。

午後は答え合わせ——AIの指摘を数字と現場の声で確かめる

AIの読解結果は判断材料として強力ですが、鵜呑みにはできません。午後は答え合わせに使います。突き合わせる相手は2つ、数字と現場の声です。

数字の面では、Googleサーチコンソールやアクセス解析を導入済みなら、「どの言葉で検索されてどのページに人が来ているか」を確認します。AIが「このページは役割が不明」と評した地味なページに、実は検索流入が集中している——ということは珍しくありません。そのページは作り直しの際に必ず残すべき資産です。解析を入れていない場合でも、判断を数週間先送りにする必要はありません。現場の声で代用できるからです。

現場の声とは、電話や来店でお客さんから実際に聞かれることです。「ホームページを見たんですが、〇〇はやってますか」という質問が多いなら、その情報がサイトで見つけにくい証拠で、AIの導線指摘と突き合わせると原因の箇所まで特定できます。夕方までに、「残すページ」「直すページ」「捨てるページ」と、その理由を書いた紙が1枚できているはずです。これが判断シートです。前章の4つの軸をこのシートで埋め直せば、「直すか、作り直すか」の答えは感覚ではなく根拠で出せます。AIを判断の下ごしらえに使う考え方は沖縄の中小企業のAI活用の記事でも全体像を整理しています。

作り直すと決めたら——原稿と構成の準備は発注前が勝負

診断の結果、作り直すと決めたとします。ここで多くの会社がつまずくのが、「あとは制作会社にお任せ」にしてしまうことです。デザインとシステムはプロに任せるべきですが、原稿と構成の材料は発注側にしか出せません。丸投げすると、どの会社にも当てはまる当たり障りのない文章が納品され、冒頭で挙げた「きれいだが人が来ないサイト」への道をまた歩くことになります。

発注側が用意すべきものは、難しいものではありません。お客さんからよく聞かれる質問とその答え。他社ではなく自社が選ばれたときにお客さんが口にした言葉。そして、午前中に作った判断シート——特に「検索流入があるので必ず残すページ」と「新サイトへ転送すべき旧URL」のリストです。この転送の指示を発注側から明示的に出すかどうかが、公開後に問い合わせが減るかどうかの分かれ目になります。

原稿の下書きにもAIが使えます。よくある質問への答えを口頭で話した内容を文字にしてAIに渡し、「ホームページの文章の形に整えて」と頼めば、たたき台は短時間でできます。大事なのは、そのたたき台を現場を知る社内の人が直すこと。地名、お客さんの言い回し、仕事の細部——検索とお客さんの信頼を連れてくるのは、AIが書いた流暢な文章ではなく、そこに残る自社の言葉です。構成と原稿の材料が揃った状態で発注すれば、制作会社との打ち合わせも「何を作るか」ではなく「どう作るか」から始められ、期間も手戻りも抑えられます。

まとめ——見た目ではなく構造で決める。材料は1日で揃う

ホームページを直すか作り直すかは、見た目の古さではなく、構造と中身がいまの商売に合っているかで決まります。検索からの流入・事業との一致・更新の体制・スマホ対応の4つの軸で眺め、右に傾くなら作り直し、左で済むなら部分改修。その判断材料は、現サイトをAIに読ませて初見の目線を再現し、数字と現場の声で答え合わせをすれば、1日で手元に揃えられます。そして作り直すと決めたら、残すページと自社の言葉という材料を発注側が握って渡すこと。ここまでやれば、リニューアルは「賭け」ではなく「根拠のある投資」になります。

自社のサイトをどう診断すればいいか迷う場合や、AIを使った判断の下ごしらえを一緒に進めたい場合は、お問い合わせからご相談ください。内容を伺ったうえで、直すべきか作り直すべきかの整理からお手伝いします。