ホームページの小さな修正が制作会社待ちで2週間|AIで社内で直せる範囲を決める
「営業時間の表記を一行変えたいだけなのに、制作会社にメールしてから反映されるまで2週間かかった」。沖縄の中小企業の方から、こうした話をよく聞きます。台風で臨時休業のお知らせを出したかったのに、ホームページに載ったのは営業を再開した後だった、という声もあります。結論から言うと、この待ち時間は「どの修正を社内で直し、どれを任せるか」を一度決めておくことで、かなり縮められます。その線引きにも、社内で直すための手順書づくりにも、AIが役に立ちます。この記事では、過去3か月の修正依頼の棚卸しから始めて、修正の種類ごとの振り分け、AIを使った手順書づくり、公開前の確認役の決め方までの4段階を順番に説明します。各段階の終わりには、その場で使える確認項目を付けました。
2週間待ちの原因は、制作会社の手の遅さではない
制作会社の側から見ると、小さな修正依頼はたくさんの顧客から届く案件の一つです。優先順位を付け、保守契約の範囲内か見積もりが必要かを確かめ、作業して確認を取る。この流れは、一行の修正でもページを新しく作るときでも、ほとんど変わりません。依頼する側も「会社概要の、上から3つ目の段落の電話番号」とまでは書けていないことが多く、確認のメールが一往復増えるたびに数日が過ぎます。
つまり、待ち時間が長くなる本当の原因は仕組みにあります。社内で直せる範囲が決まっていないので、どんなに小さな修正も同じ窓口に流れていくのです。かといって全部を社内でやろうとするのも危険です。WordPressの管理画面に入れるのが一人だけで、その人が休むと何も更新できない。テーマのファイルを触ったらレイアウトが崩れて、結局制作会社に直してもらった。こうした話も珍しくありません。目指すのは全部を自分たちでやることではなく、どこまでを社内で受け持つか、境界線を引くことです。
第1段階 過去3か月分の「直したかったこと」を一枚に並べる

最初にするのは材料集めです。制作会社とのメール、LINE、社内チャット、電話のメモをさかのぼって、過去3か月にホームページについて「直したい」と思ったことを書き出します。ここで大事なのは、実際には依頼しなかった修正も入れることです。「頼むと時間がかかるから、まあいいか」と諦めた修正こそ、社内で直せるようになれば価値が出ます。3か月にするのは、季節の行事やキャンペーン、年度替わりの変更などがひととおり含まれやすく、それでいて記憶をたどれる長さだからです。
記録する項目は、日付、対象のページ、変えたかった内容、反映までにかかった日数、追加の費用がかかったかどうか、の5つほどで十分です。スプレッドシートに1件1行で並べます。この作業はAIに任せやすい部分です。制作会社とのやり取りをまとめて貼り付けて「ホームページの修正依頼を1件1行にして、日付・ページ・内容に分けた表にして」と頼めば、あちこちに散らばったやり取りが一覧になります。ただし、お客様の名前や連絡先、見積金額が書かれたメールは、AIに渡す前に必ずその部分を伏せてください。
並べてみると、会社ごとの傾向が見えてきます。飲食店ならメニューや営業時間の変更、観光関連なら季節ごとのプランやツアー内容の入れ替え、建設や不動産なら施工事例やお知らせの追加が上位に来やすいでしょう。逆に、デザインの変更や問い合わせフォームの改修は、件数としては意外と少ないはずです。
第1段階の確認項目:□メール・LINE・電話メモなど複数の経路から拾ったか □依頼しなかった「諦めた修正」も入れたか □反映までにかかった日数を記録したか □個人情報や金額を伏せてからAIに渡したか
第2段階 修正の種類ごとに「3つの箱」へ振り分ける
一覧ができたら、似た修正をまとめて3つの箱に振り分けます。「社内で直す」「AIで原稿まで作る」「制作会社に頼む」の3つです。判断の軸は3つあります。1つ目は、間違えてもすぐ元に戻せるか。2つ目は、サイトの見た目や機能の土台に触れるか。3つ目は、文章の中身を考える手間が重いか、です。
| 修正の種類 | 振り分けの目安 | 理由 |
|---|---|---|
| お知らせ・ブログの追加 | 社内で直す | 管理画面の投稿機能で完結し、取り下げも簡単 |
| 営業時間・電話番号などの文言 | 社内で直す(確認役は必須) | 作業は簡単だが、間違えたときの影響が大きい |
| スタッフ写真・商品写真の差し替え | 社内で直す | サイズや向きの決まりを手順にすれば対応できる |
| サービス紹介・採用ページの書き直し | AIで原稿まで作る | 何を書くか考える部分が重い。反映は社内でもできる |
| キャンペーンページの新設 | AIで原稿→制作会社 | 原稿は社内で固め、レイアウトは任せる |
| デザイン変更・フォーム・予約機能 | 制作会社に頼む | サイトの土台に触れ、元に戻すのが難しい |
ここで気をつけたいのは、同じ「文言の修正」でも、ヘッダーやフッターのようにテーマに組み込まれていて、管理画面からは触れない場所があることです。どこまで社内で触れるかはサイトの作りによって違います。振り分け案ができたら制作会社に一度見せて、「この範囲は社内で更新しても問題ないか」を確認しておきましょう。保守契約で何が含まれているかも、このタイミングで確かめておくと後から食い違いが起きません。
3つの箱のうち、効果が出やすいのは「AIで原稿まで作る」です。制作会社に頼んだ修正が長引く理由をたどると、作業そのものより「何をどう書くか」が社内で決まらない時間が長いことがよくあります。採用ページの募集要項を直したいのに、文章を考える人がいないまま数週間が過ぎる、といった具合です。AIに下書きを作らせ、社内で中身を固めてから渡せば、制作会社の作業も短く済みます。
第2段階の確認項目:□すべての修正に3つの箱のどれかを割り当てたか □「元に戻せるか」で迷ったものは制作会社側に寄せたか □振り分け案を制作会社に見せて了承を得たか
第3段階 社内で直すための手順書をAIと一緒に作る

「社内で直す」と決めても、やり方が担当者の頭の中にしかなければ、その人が休んだ日に更新は止まります。沖縄の中小企業では、ホームページの担当を総務や経理と兼ねていることが多く、決算期や旧盆の前後など忙しい時期には手が回らなくなりがちです。そこで、誰が見ても同じ作業ができる手順書を用意します。
作り方のコツは、AIにゼロから書かせないことです。「WordPressで画像を差し替える手順を書いて」とだけ頼むと、一般的な説明は返ってきますが、自社の管理画面とは項目の名前や位置が違うことがよくあります。まず担当者が実際に一度修正しながら、押したボタンや迷ったところをメモし、画面のスクリーンショットを撮ります。そのメモをAIに渡して「初めて管理画面を触る人向けに、番号付きの手順書にしてください。迷いやすいところには注意書きを入れてください」と頼みます。自社の画面での操作を材料にすることで、使える手順書になります。
写真の差し替えなら、画像の横幅の目安、ファイル名の付け方、代替テキストの書き方、最後にスマートフォンで表示を確かめる、までを入れます。営業時間の変更なら、トップページ、会社概要、フッター、アクセスページ、Googleビジネスプロフィールなど、同じ情報が載っている場所を全部書き出しておくと直し漏れを防げます。この洗い出しにもAIが使えます。各ページの文章を貼り付けて「営業時間と電話番号が書かれている箇所を全部挙げて」と頼めば、人が目で探すより漏れが少なくなります。
手順書ができたら、作った人以外の社員にその通りに作業してもらいましょう。つまずいた箇所が、手順書の直すべきところです。1回で完成させようとせず、使いながら育てていくものと考えてください。
あわせて、「AIで原稿まで作る」箱の修正のために、AIへの頼み方も手順書と一緒に残しておきます。たとえば「当社の採用ページの募集要項を、次の条件で書き直してください。文体は今のページに合わせ、給与や勤務時間の数字は変えないでください」のような文例です。誰が頼んでも同じ水準の下書きが出るようになります。業務の中にAIを組み込む考え方は、AIエージェントの活用についてのページでも紹介しています。
第3段階の確認項目:□自社の画面での実際の操作をもとに書いたか □同じ情報が載っている場所を全部書き出したか □作った人以外が手順通りに作業できたか □AIへの頼み方の文例も残したか
第4段階 公開ボタンを押す前に見る人を決めておく
社内で直せるようになると、今度は確認しないまま公開してしまうことが増えます。制作会社を通していたころは、良くも悪くも誰か別の人の目が入っていました。電話番号の数字が一つずれている、税込と税抜の価格が混ざっている、AIが書いた文章に実際とは違う表現が入り込んでいる。こうした間違いは、書いた本人ほど気づきにくいものです。
そこで、修正した人とは別に、公開前に内容を見る人を決めます。役職は関係なく、その内容を正しく判断できる人です。営業時間なら店長、採用ページなら採用担当、価格なら経理担当というように、修正の種類ごとに決めておくと迷いません。流れは「下書き保存→プレビューを確認役に共有→確認役がスマートフォンとパソコンの両方で見る→OKが出たら公開」とし、社内チャットのスレッド一つでやり取りを完結させると、後から経緯を追えます。
AIが作った原稿の場合は、数字・固有名詞・お客様への約束にあたる表現(「即日対応」「無料」など)を、確認役が必ず元の資料と照らし合わせることをルールにしましょう。AIは自然な文章を作るのが得意な分、事実と違う内容も自然に書いてしまうことがあります。
台風による臨時休業のように急ぐ場面に備えて、確認役がいなくても出せる定型文も用意しておきます。日付と内容を差し替えるだけの文面にしておけば、確認が後回しになっても大きな間違いは起きにくくなります。
第4段階の確認項目:□修正の種類ごとに確認役を決めたか □スマートフォンでも表示を確かめたか □AI原稿の数字と固有名詞を元の資料と照らしたか □急ぎのとき用の定型文を用意したか
制作会社には「頼む中身が変わる」と先に伝えておく
社内で直す範囲が決まったら、制作会社にも共有しておきます。黙って社内で更新を始めると、制作会社がサイトを更新したときに社内の修正が上書きされたり、どちらが直したのか分からなくなったりします。どのページのどの部分を誰が触るのかを一枚にまとめて渡しておけば、こうした行き違いを防げます。
制作会社にとっても、細かい依頼が減れば、デザインの改善や集客の相談といった本来の仕事に時間を回しやすくなります。保守費用や契約内容の見直しにつながるかどうかは、契約の中身によりますので個別に相談してください。また、今後制作会社に頼む修正も、AIで固めた原稿と「どのページのどこか」が分かるスクリーンショットを付けて送れば、確認の往復が減って反映までの日数も縮みやすくなります。
振り分けは一度決めたら終わり、にしない
3か月ほど運用したら、もう一度修正の記録を振り返ります。社内で直した件数、かかった時間、確認役が見つけた間違いの内容を並べてみてください。「社内で直す」に入れたのに毎回つまずいている修正があれば、無理をせず制作会社側に戻します。逆に、慣れてきて「AIで原稿まで作る」から「社内で直す」に移せる修正も出てくるはずです。
担当者が入れ替わったとき、サイトをリニューアルしたときも見直しのタイミングです。管理画面の見た目が変われば、手順書のスクリーンショットも古くなります。手順書の最終更新日を冒頭に書いておくと、古いまま使われるのを防げます。
まとめ 待ち時間を減らすのは、線引きと手順書と確認役
ホームページの小さな修正に2週間かかるのは、社内で直せる範囲が決まっていないことが大きな原因です。過去3か月の修正依頼を棚卸しし、種類ごとに「社内で直す」「AIで原稿まで作る」「制作会社に頼む」の3つに振り分ける。社内で直す分は、実際の操作をもとにAIで手順書にする。そして公開前に見る人を決めておく。この4段階を踏めば、急ぎのお知らせをその日のうちに出せる体制に近づけます。
どこに線を引けばよいか自社だけでは判断しにくい、手順書づくりを一緒に進めてほしい、という場合はお問い合わせからご相談ください。沖縄の中小企業でのAI活用の全体像は、沖縄の企業のAI活用についての記事にまとめています。