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ホームページ制作の頼み先が決まらない|AI時代に沖縄で見るべき3つの違い

AI活用

「そろそろホームページを作り直したい」と思ってから、実際にどこかへ声をかけるまでに半年、一年と過ぎてしまう。県内の小さな会社を回っていると、この足踏みは珍しくない。作り直したい気持ちははっきりあるのに、制作会社に頼むのか、知り合いづてのフリーランスに頼むのか、いっそ社内でAIを使って自分たちで作ってしまうのか、決め手がないまま止まっている。

先に結論を書いておく。この三択は「どこが安いか」では決まらない。決まるのは、いま自社がつまずいているのが原稿や画像をそろえる手間なのか、それとも誰に何をどう伝えるかが決まっていないことなのか、という一点だ。前者はAIが入ってきて事情がずいぶん変わった。後者は、AIが出てきても重さがほとんど変わっていない。三つの頼み先の違いも、突き詰めればこの二種類の工程をどちらがどれだけ引き受けるか、という配分の違いでしかない。以下、その線の引き方から順に見ていく。

迷いが長引くのは、比べる軸が値段と見た目しかないから

相見積もりを三社そろえて、金額の欄と実績ページの雰囲気を見比べる。多くの会社がここまではやる。それでも決まらないのは、見積書に並んでいる項目名が会社ごとにばらばらだからだ。同じ「トップページ制作」と書いてあっても、一方は打ち合わせを重ねて掲載内容そのものを一緒に決めるところまでを含み、もう一方は渡された原稿を流し込んで整える作業を指している。項目名が同じで中身が違うものを、金額だけ横に並べても比べたことにはならない。

沖縄の中小企業だと、この判断を社長や総務の担当者が本業の合間にやることになる。日中は現場や来客で埋まっていて、腰を据えて比較検討できるのは夜か週末しかない。そういう条件で軸のない比較を続けると、最後は「なんとなく安いほう」か「話していて感じが良かったほう」に落ち着く。それ自体が悪いわけではないけれど、数年経つとまた同じ場所に戻ってきて、同じ三択の前で止まる。軸を一本持っておくと、この往復が止まる。

AIで軽くなった工程と、重さが変わらなかった工程

AIで軽くなった工程と、重さの変わらない工程を分けて考えるイメージ

まず軽くなったほうから。原稿の下書き、写真の加工やちょっとした図版、ページ構成のたたき台、よくある質問の文面、外国語への置き換え。このあたりは、材料さえ渡せば形になるところまで一気に短くなった。たとえば建設業の会社が施工実績のページを増やしたいとき、以前は担当者に話を聞いて文章にする工程がまるごと必要だった。今は現場のメモと写真を渡して下書きを起こし、社内の人間が事実関係を直すという進め方ができる。文章を一から絞り出す苦しさが、書かれたものを直す作業に置き換わったわけだ。

一方で、重さが変わらなかった工程がある。誰に売るのかの整理、その人が何に困っていてどんな言葉で検索するのかの見立て、トップから問い合わせフォームまでの導線設計、そして公開した後に反応を見て直し続ける運用。ここはAIに材料を並べさせることはできても、自社の営業の実感と照らして「これは違う」と捨てる判断が要る。捨てる判断には責任が伴うから、外から借りてくることができない。AIの使いどころをもう少し広く整理したい場合は、沖縄の中小企業におけるAI活用の考え方のほうもあわせて読んでほしい。

頼み先を比べるときは、この二種類を混ぜて見ないことが大事になる。軽くなった工程を従来どおりの手間として見積もられていれば割高に感じるし、逆に重さの変わらない工程を「AIでやりますから」と軽く扱われていれば、後で自分たちが引き受けることになる。

制作会社に頼むとき、実際に買っているもの

制作会社に払うお金は、デザインとコードの対価だと思われがちだ。しかし実際に効いているのは、決めてくれる人がいることと、決まった内容が組織に残ることのほうだと思う。ヒアリングで話を引き出し、原稿の締め切りを催促し、写真が足りなければ撮り直しを提案し、公開日から逆算して段取りを組む。この「進める役」がいるかどうかで、プロジェクトが半年で終わるか一年半かかるかが変わる。

県内の会社に頼む利点として、業界の勘所を知っていることもある。観光や飲食は繁忙期と閑散期で見せたいものが変わるし、建設や士業は問い合わせの一件あたりの重みがまるで違う。医療系なら書ける表現に制約がある。こうした前提を説明しなくても通じる相手だと、ヒアリングが表面をなぞらずに済む。担当者が変わっても、社内に記録が残っていれば話が振り出しに戻らない。

気をつけたいのは、AIで軽くなったはずの工程まで昔ながらの積み上げで見積もられているケースだ。これは悪意というより、社内の見積フォーマットが更新されていないだけのことも多い。だからこそ、後述する確認質問をその場でぶつけて、何にいくら掛かっているのかを開いてもらったほうがいい。

フリーランスに頼むという道の、強さと切れやすさ

フリーランスの強みは距離の近さと判断の速さだ。窓口と作り手が同じ人なので、伝言が減る。新しいツールの導入も個人単位のほうが早く、AIを使った制作の進め方に慣れている人も増えている。すでに社内で「何を載せるか」が固まっていて、作る手だけが足りないという状況なら、相性はかなり良い。

切れやすいのは、その一人に全部が乗っているからだ。体調を崩す、本業のほうが忙しくなる、生活の状況が変わる。どれも普通に起きることで、起きたときに代わりがいない。沖縄では紹介や知り合いづてで頼むことが多く、それ自体は信頼の裏返しなのだが、関係が近いぶん「進捗はどうですか」と言い出しにくくなる面がある。

だからこそ、始める前に事務的な話を先に済ませておきたい。どこまでを頼むのか、更新はいつまで面倒を見てもらうのか、途中で続けられなくなったときに引き継げる資料を残してもらえるのか。中でも後から一番困るのが、ドメインとサーバーと管理画面のアカウントが誰の名義になっているかという点だ。ここが相手の名義のまま連絡が取れなくなると、サイトの中身がどれだけ良くても手が出せなくなる。

自社+AIが現実的になる条件と、そうでない場合

自分たちで作るという選択が現実味を帯びたのは確かだ。テンプレートを選び、AIに下書きを起こさせ、自社で撮った写真を並べれば、形のあるものは立ち上がる。数年前なら見劣りしていた見た目も、今はそこまで差が出ない。ただし、続けられるかどうかは別の話で、条件が三つそろっているかを先に確かめたい。

一つ目は、更新を続ける人が社内にいること。作る瞬間より、その後に写真を差し替えたりお知らせを足したりする作業のほうが長く続く。二つ目は、誰に何を伝えるかが自社の言葉になっていること。ここが曖昧なままAIに書かせると、どこの会社にも当てはまる無難な文章が並ぶ。三つ目は、サイトが数日止まっても商売が致命傷にならないこと。問い合わせが売上の主要な入口になっている会社が片手間で回そうとすると、忙しい時期に必ず止まる。

実際によく落ち着くのは、骨格の設計と最初の構築は外に頼み、日々の更新と原稿づくりは社内でAIを使いながら回す、という分け方だ。重い工程は買い、軽くなった工程は自分たちで持つ。社内でどこまで持てるかを見極めたい段階なら、AI活用の相談のほうから話を始めてもらってもいい。

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三つの頼み先を、同じ物差しで並べてみる

見る工程制作会社フリーランス自社+AI
要件整理・導線設計任せやすい人によって差が大きい自社で担うことになる
原稿・画像づくり依頼内容による依頼内容によるAIで軽くしやすい
初期の構築段取りごと任せられる速いことが多い時間は自社持ち
公開後の更新契約範囲を要確認関係の続き方しだい担当者が続けば強い
止まったときの復旧窓口が組織にある一人に依存しやすい自社で調べる必要
社内に残るもの記録が残りやすい資料の取り決めしだい経験がそのまま残る

この表はあくまで傾向で、実際には混ざる。要件整理まで踏み込んでくれるフリーランスもいれば、原稿は全部お客様でお願いしますという制作会社もある。だから表を判定表として使うのではなく、見積の説明を聞きながら「この会社はどの欄をどれだけ引き受けると言っているか」を確かめる下敷きにしてほしい。空欄になっている工程は、消えたのではなく自社に残っているだけだ。

見積を見せられたら、その場で開いておきたいこと

見積の中身を開いて確認する打ち合わせのイメージ

金額の総額は、含まれる工程が違う以上そのままでは比べられない。だから見積を受け取った場では、数字より先に中身を開く質問をしたい。まず「原稿は誰が書きますか。AIの下書きを使う場合、事実確認は誰の責任になりますか」。制作の途中でAIを使うこと自体は今や普通のことだが、書かれた内容が事実と合っているかを最後に確かめる担当が決まっていないと、公開後に慌てることになる。

次に「この見積のなかで、要件整理と導線設計に当たるのはどの項目ですか」。ここに相当する項目が見当たらないなら、その工程は自社が持つ前提の見積だということになる。悪いことではなく、それを知ったうえで比べればいい。あわせて「公開後の修正はどこまで含まれますか。月額に入っているのは、動かし続けるための保守ですか、それとも内容を良くしていく運用ですか」も聞いておきたい。この二つは呼び方が似ていて中身がまるで違う。

事務的なところでは「ドメイン・サーバー・管理画面の名義は当社になりますか」「契約が終わったとき、データや原稿は引き渡してもらえますか」。これは相手を疑う質問ではなく、数年後に別の頼み先へ移るときにお互いが困らないための確認だ。きちんとやっている相手ほど、こう聞かれると話が早い。金額そのものは内容によって幅が出るので、相場を当てにいくより、何が入って何が入っていないかを言葉にしてもらうほうが結局は近道になる。

相談に行く前に、手元にそろえておきたい素材

頼み先が決まらない原因の半分は、相談の場で自社のことを説明しきれないことにある。持っていくものがあると、同じ一時間の打ち合わせでも深さが変わる。まず、会社案内やパンフレットの現物かデータ。紙で作ったときに考えたことが、そのまま使えることが多い。既存サイトがあるなら、そのURLと、管理画面やサーバーの情報が誰の手元にあるのかというメモ。値そのものではなく、在処が分かっていれば十分だ。

次に、直近半年ほどの問い合わせが実際どこから来たかの記録。電話なのか、紹介なのか、地図アプリを見てなのか、サイトのフォームなのか。手書きの走り書きで構わない。これがあると、サイトに何を期待するのかという話が一気に具体的になる。あわせて、受注に至らなかった案件で断られた理由を思い出せる範囲で書き出しておくと、載せるべき情報が見えてくる。対応エリア、営業時間、繁忙期、対応できない仕事の線引きも、意外と最初に整理されていない。

写真は、きれいなものより現場が写っているもののほうが役に立つ。従業員が働いている様子、実際の店構え、使っている機材。そして最後に、社長や営業担当がお客様に口頭で説明している売り文句を、話し言葉のまま書き取っておくといい。長年かけて磨かれた言い回しは、たいてい社外の誰が書く文章よりも強い。素材がそろっているかどうか確かめたい段階でも、お問い合わせから気軽に声をかけてもらえれば、必要なものの当たりを一緒に付けられる。

まとめ

ホームページの頼み先が決まらないとき、足りないのは情報量ではなく比べる軸のほうだ。原稿や画像といったAIで軽くなった工程と、要件整理・導線設計・公開後の運用という重さの変わらない工程に分けて、どちらをどれだけ相手に持ってもらうのかで見れば、制作会社もフリーランスも自社+AIも同じ物差しに乗る。金額の大小はそのあとに意味を持つ。

三つのどれかが正解というわけではなく、いまの自社に足りていないものが決めてくれる。決める人が足りないなら組織に頼み、手が足りないだけなら個人に頼み、両方そろっていて続ける人がいるなら自分たちで持てばいい。そして、どれを選んでも見積の中身を開く質問と、手元の素材の準備は同じように効く。半年迷って何も進まないより、素材を一式そろえて一度誰かに見せてみるほうが、次の一歩はずっと決めやすくなる。