会社のパソコンの処分方法|産業廃棄物になる?必要な書類と3つの手放し方

「会社のパソコンを捨てたいけれど、産業廃棄物になると聞いた。どんな書類が必要で、何をすれば法律的に問題ないのか分からない」――総務や経理を兼ねている担当者さまから、こうしたご相談をいただくことがあります。
結論から言えば、事業で使ったパソコンを捨てる場合は産業廃棄物として、許可業者との委託契約とマニフェストが必要です。ただし、手放し方は「捨てる」だけではありません。メーカーの回収サービスを使う方法や、まだ使えるパソコンを売却する方法もあり、組み合わせしだいで手間も費用も変わります。
この記事では、会社のパソコンが産業廃棄物として扱われる理由と、処分するときに必要な書類、そして3つの手放し方の違いを解説します。具体的な段取りは会社のパソコン回収の手順でまとめているので、本記事では法律と書類の考え方に絞ってお伝えします。
事業で使ったパソコンは産業廃棄物になる

廃棄物処理法では、事業活動にともなって出たごみのうち、決められた種類のものを「産業廃棄物」として扱います。パソコンは金属やプラスチック、ガラスなど複数の素材でできているため、会社や個人事業で使ったパソコンを捨てる場合は産業廃棄物にあたると考えるのが基本です。
ここで誤解されやすいのが、個人事業主さまのケースです。自宅を事務所にしていても、仕事で使っていたパソコンは事業用として扱われます。また、家庭向けのパソコンリサイクルの仕組みは家庭で使ったパソコンが対象のため、事業用のパソコンをそのまま申し込むことはできません。
産業廃棄物では、ごみを出した会社が「排出事業者」として最後まで責任を負います。処分を業者に任せたとしても、適正に処理されたかを確認する責任は依頼した会社に残るというのが、家庭ごみとの大きな違いです。
「1台だけだから」「古いパソコンだから」といって、ほかのごみと一緒に出してしまうのも避けてください。台数が少なくても、事業で使っていたパソコンであることに変わりはありません。とくに小さな事務所では、総務の担当者が一人で判断することも多いため、迷ったときは処分業者や自治体の窓口に確認しておくと安心です。
処分を委託するときに必要な書類
産業廃棄物の処分を業者に委託するときは、口約束では済みません。主に次の書類をそろえ、きちんと保管しておく必要があります。
| 書類 | どんなものか | 押さえておきたい点 |
|---|---|---|
| 業者の許可証(写し) | 収集運搬業・処分業の許可を受けていることを示すもの | 許可の地域・品目・有効期限を確認する |
| 委託契約書 | 排出事業者と業者の間で、処理の内容を取り決める書面 | 収集運搬と処分で業者が違えば、それぞれと契約する |
| マニフェスト(産業廃棄物管理票) | 廃棄物がどこへ運ばれ、どう処分されたかを追う伝票 | 紙と電子の2種類。返ってきた控えを法令で定められた期間保管する |
委託契約書は書面で結ぶことが求められ、収集運搬をする業者と、最終的に処分する業者が別であれば、それぞれと契約を交わします。マニフェストは、業者に廃棄物を渡すときに交付し、運搬や処分が終わると控えが戻ってくる仕組みです。控えが期限内に戻ってこない場合は、状況を確認する必要があります。
書類の名前だけを聞くと難しく感じますが、許可を持つ処分業者であれば、契約書のひな形やマニフェストの扱いについて案内してくれるのが一般的です。不安な点は、依頼前に遠慮なく質問しておきましょう。
許可のない業者に渡すとどうなるか

「費用はかかりません」とうたうチラシや、トラックで巡回している業者を見かけることがあります。家庭のものなら問題にならない場合もありますが、事業用のパソコンを許可のない業者に渡すと、委託基準に違反するおそれがあります。その先で不法投棄などが起きた場合、依頼した会社も責任を問われることがあります。
もう一つ心配なのが、情報漏えいです。業者に渡したあとのパソコンがどう扱われるのかが分からないと、中のデータがどこに流れたのかも追えません。顧客情報を扱う会社であれば、取引先からの信用にも関わる問題になります。
業者がその場で何も書類を出さず、どこへ運ぶのかも説明しない場合は、依頼を見送るのが賢明です。手放すまでの手間が多少増えても、許可と書類がそろった方法を選ぶほうが、結果として会社を守ることにつながります。
業者を選ぶときは、「無料かどうか」よりも、許可を持っているか、書類をきちんと出してくれるかを基準にしてください。許可の有無は、許可証の写しを見せてもらえば確認できます。
手放し方1:産業廃棄物として処分を委託する
壊れて電源が入らないパソコンや、かなり古くて値段がつかないパソコンは、産業廃棄物として許可業者に処分を委託するのが基本の方法です。沖縄県内でも、パソコンなどの廃棄物を扱う収集運搬業者・処分業者があります。
依頼するときは、許可証で沖縄県内での収集運搬の許可があるか、扱える品目にパソコンが含まれるかを確認します。そのうえで委託契約を結び、引き渡しの際にマニフェストを交付する流れです。費用は台数や量、業者によって異なるため、見積もりを取って確認しましょう。
処分を委託する場合でも、データの消去は事前に考えておく必要があります。処分業者によっては破砕などの対応をしてくれるところもありますが、どこまで対応してもらえるかは業者ごとに違います。依頼前に、データの扱いについても確認しておきましょう。
沖縄では、処分業者の拠点が中南部に集まっていることもあり、北部や本島の端の事業所からは搬出の日程を合わせるのに時間がかかる場合があります。年度末や事務所移転の時期は依頼が重なりやすく、台風の接近で予定がずれることもあるため、処分の日程は早めに押さえておくのが安心です。
手放し方2:メーカーの回収サービスを使う
パソコンメーカーの多くは、法人向けに使用済みパソコンの回収サービスを用意しています。同じメーカーの機種がまとまっている場合は、メーカーの窓口に申し込むことで、許可業者を自分で探す手間を減らせることがあります。
ただし、申込みはメーカーごとに分かれていることが多く、複数メーカーのパソコンが混在している事務所では、それぞれに申し込む必要があります。料金や条件もメーカーによって違います。また、沖縄からは本土の拠点へ送ることになる場合が多いため、梱包の手間や、到着までの日数も見込んでおきましょう。
メーカーの回収サービスを使う場合も、データの消去や、リース品が混ざっていないかの確認は事前に済ませておく必要があります。申込みの前に、どのパソコンをどのメーカーに出すのかを一覧で整理しておくと、申込みや梱包の作業が進めやすくなります。
手放し方3:まだ使えるパソコンは売却する

まだ動くパソコンや、購入から年数が浅いパソコンは、古物商の許可を持つ買取業者に売却するという方法があります。値段がついて売買されるパソコンは、中古品として取引されるため、処分費をかけずに手放せるうえ、売却代金を受け取れる場合もあります。
当社は沖縄県公安委員会の古物商許可を受けた買取専門の事業者です。沖縄本島全域で出張査定は無料、1台からご相談いただけます。買い取ったパソコンはすべて当社でデータ消去を行い(標準・無料)、取引の際には申込書兼契約書(買取明細)を発行しますので、社内の記録としてもご利用いただけます。価格の目安は買取価格の目安をご覧ください。最終的な金額は実機を見て決めます。
一方で、査定の結果、値段がつかなかったパソコンは当社ではお引き取りしていません。値段のつかないものを運ぶことは廃棄物の収集運搬にあたり、別の許可が必要になるためです。こうしたパソコンは、手放し方1や2の方法で手放していただくことになります。
3つの手放し方をどう組み合わせるか
実際には、事務所にあるパソコンがすべて同じ状態ということはほとんどありません。数年前に入れ替えたばかりのノートパソコンもあれば、倉庫で眠っていた古いデスクトップもある、というのが多くの事務所の実情です。
おすすめなのは、まず売却できるものを査定で見極め、値段がつかなかったものを処分業者やメーカーの回収サービスに回すという順番です。最初から全部を処分に出すと、本来は値段がついたはずのパソコンまで費用をかけて手放すことになります。反対に、売却できるものを先に分けておけば、処分する量が減り、委託の手続きも軽くなります。
仮の例で考えてみましょう。事務所に30台のパソコンがあり、そのうち20台はまだ普段どおり動き、10台は電源が入らない状態だとします。最初に20台を査定に出し、値段がついたものを売却すれば、処分業者に委託するのは残りのパソコンだけになります。30台すべてを処分に出す場合と比べて、委託する量も、マニフェストで管理する量も小さくなるのが分かります。
どの方法を使う場合も、リース中のパソコンは所有者がリース会社なので、勝手に処分や売却はできません。契約内容を確認したうえで、自社所有のものだけを対象にしてください。全体の考え方は事業用パソコンの正しい処分方法でも整理しています。
まとめ:会社のパソコンは「売れるものは売り、残りは許可業者へ」
事業で使ったパソコンを捨てる場合は産業廃棄物となり、許可業者との委託契約やマニフェストといった書類が必要です。許可のない業者に渡すと、依頼した会社も責任を問われることがあるため、「無料かどうか」ではなく「許可と書類」で依頼先を選ぶことが大切です。
書類の準備は手間に感じるかもしれませんが、委託契約書とマニフェストがそろっていれば、パソコンがどこでどう処理されたのかを後からでも説明できます。取引先から情報管理について尋ねられたときにも、落ち着いて答えられるはずです。
そのうえで、まだ使えるパソコンは売却し、値段がつかないものだけを処分に回せば、手間と費用を抑えながら正しく手放せます。当社では事業用パソコンの出張査定に加えて、入れ替え用のパソコン(レンタル・リース・購入)やネットワーク設定のご相談も承っています。どのパソコンが売れそうか迷ったら、まずはお気軽にお問い合わせください。
よくある質問
個人事業主が仕事で使っていたパソコンも産業廃棄物になりますか?
事業で使っていたパソコンを捨てる場合は、個人事業主さまでも事業用として扱われるのが基本です。家庭向けのパソコンリサイクルではなく、許可業者への委託やメーカーの法人向けサービスなどを検討してください。
パソコンを売却する場合もマニフェストは必要ですか?
値段がついて中古品として売買されるパソコンは、廃棄物として処分を委託するわけではないため、マニフェストを使う取引とは異なります。当社では取引の記録として申込書兼契約書(買取明細)を発行しています。